Hurricane Bells 最新EPについての最新インタビューが公開!!!


昨年はHurricane Bellsとして2度の来日に加え、ジェームス・イハ・バンドでもFUJIROCK、そして日本ツアーと、3度の来日を果たしたスティーヴ・シュルツ。

そのHurricane Bellsの最新EP”There’s nothing precious in the past” がiTunesにて配信スタート。
ザ・ストロークスのアルバート・ハモンド・ジュニアが参加した“Nights Follow Days”をはじめ、ビデオも公開になった”Hurricane”など、話題曲満載の最新EPについて中心人物のSteve Schiltzが語ってくれました。
その最新インタビューをどうぞ!

Live from OSAKA 2012



PV “I’ve Got A Second Chance” (from LP “Tides and Tales”)



前回インタビューさせてもらった後あなたは、まずハリケーン・ベルズとして来日を果たし、その後にはジェームス・イハのバンドに参加してフジロックにも出たし、大阪ではソロ・ショウもやりました。それぞれの感想を聞かせてください。



ハリケーン・ベルズとして来日できたのはとても嬉しかったよ。この時のコンサートを録画してYouTubeにもアップしたんだ。これは自分たちの中でもけっこういいコンサートだったと思うから、録画できたこと自体も嬉しかったよ。8ottoのショウも2回聴けたしね。本当にいい思い出だよ。

ジェームス・イハとは去年2回一緒にやる機会があって、そのうちの一つがフジロックだったんだ。これも本当に素晴らしい思い出だよ。この頃にはレディオヘッドとか日本にたくさん知り合いがいたから、何だか休暇で遊びに来ているような、パーティみたいな気分だったな。彼らと会って楽しい時間を過ごして、一緒に音楽も演奏してね。ソロ・ショウのときもイハと一緒に来日したんだ。イハのバンドに出演して、ソロ・ショウにも出て。もちろんこの2つは別の日だよ。とにかく、1年に3回も日本に来ることができて、本当に楽しかったよ。




そもそも、どうしてイハと一緒にやることになったのか経緯を教えてください。彼やスマッシング・パンプキンズについてはどう評価していますか?


イハと出会ったのは10年くらい前だったかな。パンプキンズが解散して彼がニューヨークに来た頃だったから2000年くらいの話だね。ぼくはロングウェイヴとしてニューヨークでよく演奏していた時期で、その頃にジェイムズを見かけるようになったんだ。アルバート・ハモンド・ジュニアがソロ・ショウをやっていたときに、ぼくはギターを演奏していたんだけど、彼のアルバムをジェイムズのインディ・レーベルから出した関係で、ジェイムズとまた顔を合わせる機会があったんだ。ジェイムズが去年アルバムを出して、新たにバンドもつくることになったんだけど、その時にソロ・ショウでギターを弾いてくれないかと頼まれたんだよ。アルバムのレコーディングの時は、ぼくはいなかったけど、その後のショウではずっと彼のために演奏したんだ。

スマッシング・パンプキンズについては、そうだな、初期の頃の『サイアミーズ・ドリーム(Siamese Dream)』が気に入ってるかな。ギターのファズサウンドがいいし。ジェイムズとパンプキンズの古い曲のことをちょっと話したりすることもあって、ここ2年くらいは参考にさせてもらった部分もあるよ。ジェイムズはパンプキンズの再結成に加わらなかったけど、でもパンプキンズの好きなところもあるかな。再結成に関しては、ぼくはよく知らないんだけどね。





アルバート・ハモンド・ジュニアにもギタリストとして雇われたことのあるあなたですが、ギタリストとしての活動が、シンガーソングライターとしての自分に何か影響を与えていると思いますか? あるとしたら、それはどんなことでしょう。



そうだね、アルバートはぼくにとってインスピレーションを与えてくれる存在だよ。彼が最初のソロ・アルバムのためにつくったバンドはとても素晴らしくて、アルバートが書いたギター・パートも本当に良かったよ。だからそれを演奏させてもらうのはとても楽しかったな。アルバートと一緒にいたおかげで、たくさんの新しいアイディアも生まれて、ロングウェイヴのために曲もつくりたくなったし。彼はとても素晴らしいギター奏者でもあるし、とても多くのことを学ばせてもらったよ。

ソロ・ショウはどれも大きなものだったから、そこで演奏したことで、それまでとは違う自信を持てるようになったしね。本当に良い経験だったよ。




そんなふうに多忙にしていたあなたですが、このたびハリケーン・ベルズの新しいEPがリリースされることになりました。今回、EPを出すことにしたのは何故ですか? この5曲は、いつ頃どのようにして作られたのでしょう?



日本向けにEPを出すことにしたのは、去年の訪日の時に決まったことなんだ。レーベルの方から話をもちかけてくれて、日本に来てもっとライヴもやりたいし、新しい曲も出そうということになって。それが始まりだったな。そしてレコーディングをぼくのニューヨークのスタジオでやったんだ。3曲目はアルバートがギターを弾くことになったから、彼もスタジオに来てくれて、それも嬉しかったな。





新しいEPでは、リズム・トラックがさらに生き生きとした感じになっているという印象を受けたのですが、今作のレコーディングで他のバンド・メンバーからのフィードバックはどの程度ありましたか?



そうだね。生き生きした感じになってるのは、ライブ演奏を録音したからだよ。ベースやドラム・パートは自分でやろうと思えばできたけど、でも、ぼくがやるよりもコリンやクリスチャンにやってもらった方がいいからね。彼らの方がぼくよりもうまいし。二人のおかげでいい味わいが出せたと思う。自分でドラムとか他の楽器をやるのも悪くはないけど、彼らがやってくれるならその方がいいね。




2曲目には、バンド名にもなっている「ハリケーン」というタイトルがつけられていますね。そういえば先日あなたがたの住むニューヨークでハリケーン・サンデイが大きな被害をもたらしましたが、今回あらためて「ハリケーン」というタイトルのついた曲を発表することになった理由は何かあるのでしょうか?



いや、ただの偶然だよ。この曲のレコーディングをしたのは夏だったから。でも、確かにこの曲を聴いて、サンディのことを思い出す人もいるかもしれないね。それはそれでいいと思うよ。ただ、これは本当に偶然だよ(笑)。



『タイズ・アンド・テイルズ』では、ギター以外の楽器を使った作曲に、意識的に取り組んでいましたが、このEPでの新たな試みは何かありますか?



そうだな、今回は録音をバンドでやったということくらいかな。『タイズ・アンド・テイルズ』では、まだ自分でもドラムを演奏していて、何曲かはトラヴィス・ハリソンが演奏して、コリンも1曲やってくれたんだけど、今回は最初から彼らと一緒にやろうと決めていたんだ。日本でこのEPの話が出て、ニューヨークに戻ったときから、ハリケーン・ベルズの仲間と一緒につくりたいと思っていたんだ。今回も曲は全部自分で書いたけど、このEPはみんなでつくったものだよ。作曲にはギターだけじゃなくていろいろな楽器を使ったけど、これは前回と同じだね。それと、アルバートがギターを演奏してくれた曲は、古い曲なんだけど、でも今回改めてこの曲の良さに気づいたんだ。バンドで演奏したところが前回と違うところだね。



ロングウェイヴ時代から数えて、もうかなり長いキャリアを重ねてきたことになりますよね。ソングライティングの手法、創作のインスピレーション源、さらに歌詞のテーマ選択などに関して、かつてと現在とでは何か変化があったと自覚しているようなことはありますか? 自身の成長を、どんな時に意識しますか?



そうだな、たぶん、以前に比べて直接的でわかりやすい歌詞を書くようになったことは変化のひとつだね。以前よりもわかりやすい言葉を使っているし、歌詞のポイントもはっきりしていると思う。わかりやすい歌詞が必ずしも良いというわけではないけど、今は自分ではこういうスタイルが気に入ってるんだ。もちろん、歌詞の意味を全部理解していなくてもその歌が好きなんてことはよくあるけどね。あと、ロングウェイヴの頃よりも、ハリケーン・ベルズの方が柔らかい雰囲気になっていたけど、今回はそれをやめたんだ。これも新しいハリケーン・ベルズの特徴かな。ギターも変わったと思う。今はもっとファズを効かせた音が好きなんだ。それはアルバートのバックで演奏するようになって変わったのかな。ジェイムズのためにもヘビーなギターをいっぱい弾いていたし。今回のEPではそういう部分を意識的に前面に押し出そうとしたんだ。今はギター演奏の依頼がないから、自分で意識的に弾くようにしているんだ。気分転換にもなるしね。新しいハリケーン・ベルズでは、とても大きな音で演奏したり、ちょっとクレイジーな音を出したり、逆にソフトにしたりして、インパクトをつくり出しているんだ。




EPには『THERE’S NOTHING PRECIOUS IN THE PAST』というタイトルがつけられているようです。未来に目を向けていこうという決意を感じさせますが、この題名は、どのような意図でつけたのでしょうか?



EPのタイトルは、アルバートが演奏してくれた3曲目の歌詞の一部分からつけたんだ。これはEPの他の曲にも通ずるテーマみたいなものだね。1曲目の歌詞には、「何か終わりを告げるものがあっても、ぼくはそれを恐れない」というメッセージがあるし。どうしてこのタイトルにしようと思ったのかは自分でもわからないけど、1曲目か3曲目を聴いていた時に決めたのは確かだね。3曲目の歌詞には「ぼくはもうきみのものじゃない 美しい人生なんてない 過去には大切なものなんてない」という箇所があるんだ。素晴らしい芸術や音楽を創り出すには、苦しみが必要だという考えもあるけど、ぼくはそんな風に思いたくないな。一生懸命努力して、自分を駆り立てることを否定するつもりはないけど、歌をつくるのは喜びだし、楽しんでやりたいんだ。ぼくはまだ老齢ってわけじゃないけど(笑)、もう20歳の若者でもないからね。もがき苦しんで歌をつくるのは嫌だな。これは昔つくったものだけど、これを聴くと何だか昔の自分と対話しているようで、不思議な気分になるよ。



また、雨が降りしきっているように見えるジャケットのイラストは、どのようにして描かれ、今回のアートワークに採用されたのですか?



あれはポラロイドを使ったんだ。前回の『タイド・アンド・テイルズ』のジャケットと同じやり方だよ。ポラロイドで写真を撮って、現像される前にスクラッチするんだよ。これと同じ技法を使った有名なジャケットは、確かピーター・ガブリエルの昔のアルバムじゃないかな。ベーシストの顔が溶けているようなやつがあるんだけど、あれも同じようなやり方でつくってると思うよ。ポラロイドで写真を撮って、現像が始まる前に裏返してスクラッチして、またひっくり返すと、ああいう不気味な感じのテクスチャーができるんだ。そういうのを何枚もつくって、気に入ったやつをパソコンに取り込んで加工処理したんだ。だから、手でつくった部分とパソコンでつくった部分があるね。



さて、次はハリケーン・ベルズのニュー・フル・アルバムにも期待していますが、今後の予定については、どのようなヴィジョンを持っていますか? スカウトやロングウェイヴも含めて、これからの計画を教えてください。



そうだな、今はまだ何もわからないね(笑)。ハリケーン・ベルズの歌は確かにまだあるし、昔のロングウェイヴの歌で宙ぶらりんになっているものもあるんだけど、ずいぶん長い間ロングウェイヴとして集まっていないからね。どれを次にやるかはまだわからないな。スカウトも同じような状態だね。やりかけたまま終わっていないものが色々とあるんだ。だから、まずは終わらせて、それから次のことを考えないとね。ハリケーン・ベルズの仲間とつくったインストゥルメンタルは完成しているんだけど、現時点ではまだ名前もつけていないし、リリースするかどうかもわからないよ。とにかく中途半端になっているものがあるから、それを完成させて、すべてはそれからだね。


interviewed by Yoshiyuki Suzuki JAN 2013


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